復職カリキュラムと産業医との定期面談内容

はじめに

休職期間に療養し症状の回復が進むと主治医より「復職可能」の判断をしてもらい診断書によって「復職可能」を会社に伝えます。主治医の「復職可能」の診断書だけでは復職はできないことは注意が必要です。ここから産業医と面談し会社側としても復職可能と判断されたうえで会社との復職カリキュラムが始まりカリキュラムを経て最終的に復職可能かの判断を行ったうえで復職となります。このプロセスは「いきなり職場に戻る」のではなく少しずつ社会的リズムや仕事感覚を取り戻すための重要なステップです。


復職カリキュラムとは

復職カリキュラムとは心身の負担を最小限に抑えながら職場へ戻るための段階的なプログラムです。一般的に「復職前(リワーク)プログラム」と「復職後の段階的勤務」の2段階に分かれて進められます。リワークでは主に生活リズムや集中力の回復を目指し復職後は、実際の勤務環境で少しずつ業務量を増やしていく流れになります。


主治医の診断書と産業医面談

まず復職には主治医の「復職可能」診断書が必要です。この診断書をもとに会社側が産業医と面談を設定し復職の可否や進め方を最終的に判断します。産業医はあくまで会社に属する立場であり会社に対して復職の可否を伝える立場の方です。そのため必ずしも味方というわけではなく復職可否についてこれまでの面談を含めて判断されます。そのため主治医の意見書やこれまでの経過を丁寧に伝えることで「時短勤務からの復帰」や「業務負荷の軽減」といった調整が行われる場合もあります。ここでは「いきなりフル復帰は難しい」など、正直な体調と不安を伝えることが大切です。


復職前のカリキュラム(リワーク準備)

主治医から「復職可能でありそろそろ社会復帰を意識して」と言われてからすぐに会社へ戻るのではなく産業医と人事の労務担当と面談し自宅や通院先でのリワーク(復職準備)期間を設けるケースが多いです。

私の場合は、以下のような段階を踏みました。

  • 生活リズムを整える
  • 1日に行ったことを生活記録帳に残し産業医面談の前日に人事労務に記録をメールで送る
    • 私の会社では生活記録帳のフォーマットを会社が用意してくれました
    • 生活記録帳には起床、食事、就寝の生活リズムがわかるものと復職に向けたカリキュラムをどの時間にどれぐらいしたかを記録に残しました
  • 自宅で一定時間デスクに座って読書やPC作業をしてみる
    • 業務が行えることを確認するためにデスク作業主体の私はデスクに座って読書や簡単なPC作業から始めました
    • 私は休職前はリモートワークが多かったため自宅作業でリワークしましたが勤務形態によっては図書館で同様に一定時間読書するケースもあると人事の労務担当からは聞きました
  • 軽い運動や外出を取り入れる

このように「生活リハビリ+集中力リハビリ」を重ねながら、
少しずつ「働く感覚」を取り戻していきました。また私の場合は生活記録帳が産業医面談の時に復職に向けた話をする際に重要になるためしっかりと記録することを心がけました。


復職後のカリキュラム(段階的な勤務再開)

復職が正式に決まると、会社の規定に沿って段階的な勤務再開が始まります。私の会社では、次のようなステップで進められました。

  1. 在宅勤務や時短勤務からスタート
     → 通勤や長時間勤務での負荷を避けるため短時間・軽負荷の勤務から慣らす
  2. 業務量を徐々に増やす
     → 最初はサポート業務や簡単なタスク中心で少しずつペースアップ
  3. 通常勤務へ移行
     → 体調が安定してきた段階でフルタイム勤務・通常業務に戻す

このように「復職=即フル復帰」ではなくリハビリの延長線上で職場復帰するのが理想です。


産業医との定期面談

復職後も定期的に産業医面談が実施されます。体調の変化や業務負荷を確認しながら勤務時間や業務範囲を調整していきます。この面談は形式的に感じることもありますが自分のペースを保つための重要なチェックポイントです。体調が不安定なときは遠慮せず率直に伝えることが長期的な安定復帰につながります。


注意点:無理をしすぎない

復職初期はどうしても「早く元のペースに戻さなければ」と焦ってしまいます。しかしここで無理をすると再休職のリスクが高まります。

  • 自分の体調の声を優先する
  • 1日の業務量や勤務時間に目安をつくる
  • カリキュラム通りに進めることが目的で、完璧にこなす必要はない

「無理をしないこと」も立派なリハビリの一部です。焦らず「今日はこれができた」と少しずつ積み重ねる意識で進めていきましょう。


読者へのメッセージ

  • 無理をしない姿勢が安定した復職の鍵
  • 復職カリキュラムは「復職前(リワーク)」と「復職後」の2段階構成
  • 復職には主治医の「復職可能」診断書が必要
  • 在宅勤務や時短勤務など段階的に職場に慣らしていく

休職・傷病手当金体験記シリーズ

このブログは、以下の 2 つの軸で構成しています。

  • 【実体験シリーズ(全11話)】
     休職を決めた理由から診断書取得・休職報告・回復のプロセス復職後までの流れを時系列でまとめた体験記。
  • 【制度ガイド】
     休職中に実際に利用した、
     傷病手当金・自立支援医療受給者証・GLTD(団体長期障害所得補償保険)・社会保険・税金
     などお金と制度のしくみを分かりやすく整理した解説記事。

実体験と制度の両面から「安心して休むための情報」をまとめています。